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介護業界での人材の現状と今後の対策

今月号は、介護業界での人材の現状をお話したいと思います。なお、公益社団法人 介護労働安定センターが2020年8月7日に発表した、「令和元年度『介護労働実態調査』の結果」を基にしております。(説明文の中にあるカッコは昨年度のデータとなります)。

人材不足感は依然として高い状況

介護業界の不足感は全体で65.3%(67.2%)と昨年度と比較してやや低下しました。介護職員の不足感は年々上昇しており、訪問介護員の不足感は平成28年度以降 80%を超えており、依然高い状況にあります。(図 1)

また、不足している理由として「採用が困難である」が90.0%(89.1%)で、その原因について「同業他社との人材獲得競争が厳しい」が 57.9%(56.2%)と高く出ました。

新型コロナウイルス感染の影響で求職者が増えると予想する声がありますが、一時的な人手不足の解決にはなるものの、現状の経営環境・経営方針を見直さない限り根本的な人手不足の問題は解決しないと考えられます。

労働者の所定内賃金はわずかに減少、賞与は増加

所定内賃金(正規職員、月給の者)は平均234,439円(234,873円)で前年度より434円の減少になりました。

一方、賞与支給事業所における全職種(正規職員、月給の者)の年間平均賞与額は 599,506円(598,379円)と前年度より1,127円の増加となりました。また、賞与支給割合(調査対象の法人が、実際に賞与を支給する割合)は調査開始の平成28年度より年々増加しています。(図 6)

今後、人件費については従業員の賃金を抑え、利益が出た場合に賞与として還元していく傾向になるのではないかと予想されます。

※なお、今回の調査時点では、介護職員等特定処遇改善加算は算定前であったため、結果には含まれていません。

特定処遇改善加算は6割以上の事業所で算定対応

令和元年10月に創設された介護職員等特定処遇改善加算の算定対応について調査した結果、「算定する」48.4%、「算定する予定」15.1%、「算定しない」32.6%と、6割以上の事業所が加算を算定する意向であることが分かりました。(図 7)

 

労働者の労働条件・仕事の負担に関する悩みは、賃金よりも人手不足

「人手が足りない」は55.7%(54.2%)で「仕事内容のわりに賃金が低い」39.8%(39.1%)よりも高く、介護現場での人手不足は賃金より大きな悩みや不満となっている状況であることが判明しました。(図 8)

介護労働者の勤続意欲は年々上昇

勤務先に関する希望において、「今の勤務先で働き続けたい」は全体で58.9%(57.3%)と平成28年度から3年連続上昇しています。

そのほか、「介護関係の別の勤務先で働きたい」は 7.2%(7.3%)、「介護・医療・福祉関係以外の別の勤務先で働きたい」は 4.0%(4.2%)、「わからない」は 22.1%(23.0%)と昨年より低下し、今の勤務先での勤続意欲は高まっている傾向になっています。(図 10)

今後、対処すべき人材対策

以上の調査結果を踏まえて、今後人材についてなすべき対策をご提案します。

キーワードは「関心」です。

①募集記事に職員の長期定着の視点を盛り込む

採用が困難な理由について、「同業他社との人材獲得競争が厳しい」ことですが、ここで視点を変えてみましょう。「あなたの法人は、求職者や介護職員が求めている職場環境になっていないか?」という視点です。

この視点が弱い法人ほど、求人欄の記述がおざなりになります。例えば仕事内容がありきたりの内容(業務内容:入浴介助、食事介助、排泄介助、その他など)になる傾向です。これを見て求職者はどう思うでしょうか?どの職場も業務内容に差がないとみなすので、求人条件(給与、休日、職場の場所など)の差で、職場を決めがちになっていきます。

今回の調査では、従業員は一つの職場に長く定着することに関心がある意見が多く出ています。これらの関心に応える方法として、10年単位でプロの介護職員としての成長を支援する仕組み、退職金制度、将来の介護職員としての職務がどう充実するかの未来予想図、副職既定の変更など法人側で様々な角度から検討し、求職者などに提案していく方法を取ってはいかがでしょうか。

②人手不足の解消など、労働環境の見直しで離職率を防止する

現状の介護職員は、「人手不足」に関心を持っています。賃金の問題よりも人手不足に関心があるのは、個人的には意外でした。それだけ現状の仕事のやり方に悩みを抱えているのではないかと考えられます。

まず、人手不足であることと解決が必要であるとの従業員の意識の共有化、時間帯・場所・人手不足と感じる作業内容の分析、解決する方法のアイディアの収集と実践、これらを繰り返し行い続けることにより人手不足を解消していく事例があります。

また、今回の新型コロナウイルス感染禍によって、ITやテレワークの重要性が認識されました。これらを積極的に出来ることで、作業の効率化していくように働きかけてみてはいかがでしょうか?

③特定処遇改善加算の取得で、同業他社との比較で不利にさせない

労働環境を充実させると同時に、賃金面も充実させる必要があります。今回の調査では特定加算を算定していない事業所が半数を超えています。本気で従業員のことを考えるのであれば、取得できそうな加算を一つでも多く取るべきではないでしょうか。ちなみに、特定加算を取る要件は、以下の①~③があれば、どの施設でも取れます。

①処遇改善加算Ⅰ~Ⅲを取得

②職場環境等要件が「資質の向上」、「労働環境・処遇の改善」、「その他」の各分野でひとつずつ取っていること

③自社HPか情報公表制度を使って、特定加算の取得を載せていること

 

ちなみに茨城県では、新型コロナウイルス感染症対応職員慰労金を12月28日(必着)まで受け付けています。職員ひとりあたり最低5万円支給することができますので、検討してみましょう。こういった、職員の関心あることに通り組む姿勢が、法人としての信用につながりますので、ぜひとも対応してはいかがでしょうか。

参考サイト:https://www.pref.ibaraki.jp/soshiki/hokenfukushi/chofuku/iroukin.html

 

もし、今回の記事でご不明な点、その他相談したいことがございましたら、株式会社マネジメントセンターの小山当てにご連絡をお願いいたします。

何卒、よろしくお願いします。

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