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速報:介護経営調査分析

厚生労働省で介護事業経営調査委員会がWeb会議で開かれ、令和2年度介護事業経営実態調査結果が出ました。

各介護サービスにおける収支基準

まず、介護サービスごとの収支差率の状態がこちらとなります。

収支差率は、損益計算書で言うところの経常利益率と思っていただければ大丈夫です。全体的に0.7%の減益傾向にあります。

ただしこれは、令和元年度の経営調査です。そのため新型コロナウイルス禍が起きている今年度については、より減益傾向になるのではないかと予想されます。特に居宅サービスについては、より減収減益になるのではないかと思われます。

人件費の高騰

収益に下がった要因として人件費の高騰が上げられます。各サービスごとの人件費率の傾向をあげていきます。

サービス平成30年度令和元年度差率
施設サービス
介護老人福祉施設(特養)63.6%63.6%+0.0%
介護老人保健施設(老健)60.5%61.7%+0.8%
介護療養型医療施設59.8%60.9%+1.1%
介護医療院59.4%
居宅サービス
訪問介護77.2%77.6%+0.4%
訪問入浴介護65.7%66.0%+0.3%
訪問看護76.5%78.0%+1.5%
訪問リハビリテーション71.1%72.3%+1.2%
通所介護(デイサービス)63.3%63.8%+0.5%
通所リハビリテーション66.2%66.7%+0.5%
短期入所生活介護(ショートステイ)64.1%63.7%– 0.4%
特定施設入居者生活介護44.6%44.9%+0.3%
福祉用具貸与36.5%33.9%– 2.6%
居宅介護支援83.4%83.6%+0.2%
地域密着型サービス
定期巡回・随時対応型訪問介護看護79.1%78.8%– 0.3%
夜間対応型訪問介護76.7%82.8%+6.1%
地域密着型通所介護64.5%64.2%– 0.3%
認知症対応型通所介護65.5%66.9%+1.4%
小規模多機能型居宅介護68.5%67.9%– 0.6%
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)61.8%64.2%+2.4%
地域密着型特定施設入居者生活介護58.4%59.3%+0.9%
地域密着型介護老人福祉施設63.6%64.7%+1.1%
看護小規模多機能型居宅介護67.7%68.9%+1.2%

どのサービスも共通して+0.5-1.5%ほど人件費率が上昇している傾向があります。
人手不足から起こる派遣職員の常用化と、募集費用や紹介派遣の高騰化が挙げられると思います。

令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果も出ています。

特定処遇改善加算を取得することで、月に1.8-2.0万円ほど収入があがっています。

定期昇給や手当に引き上げることで、月収の向上を図っている傾向にあるようです。

現在、処遇改善加算は90%以上取得しており、なおかつ60%以上の事業所が特定処遇改善加算を導入しています。

特定処遇改善加算取得のすすめ

以上の結果より、改めて特定処遇改善加算は導入した方が良いと提案いたします。

理由としては以下の通りです。

  1. すでに多くの法人が導入している
  2. 人材戦略の良い見直しとなる
  3. リーダークラスのスカウトになりやすい
  4. スキルアップの目標となる

 

1.すでに多くの法人が導入している

すでに60%以上の法人が導入しており、職員一人あたり月に1~2万円も処遇が改善したとの報告も出ています。特定加算を導入しなかった場合、処遇面で他の法人と比べて金額が見劣りしますので求職者にとって応募の優先順位が低くなることにつながるので早急に導入することをおすすめいたします。

2.人材戦略の良い見直しとなる

私のお手伝いしているお客様から、特定加算がきっかけで未経験者の応募が増加したという報告が来ております。賃金制度やキャリアパスを見直すきっかけになったというご意見も出ております。処遇改善加算・特定加算を見直すことにより採用後の育成・定着の体制を見直すことでより人材面が厚くなるのではないでしょうか。

3.リーダークラスのスカウトになりやすい

特定加算の取得、分配方法について情報公開されています。他の法人の処遇を情報収集して条件の良いところに行きたい職員さんが出てきてもおかしくありません。これは、まだ導入していない法人様にとってはチャンスであり、リーダークラスを特定加算により月額8万円、もしくは年収440万円にすればスカウトできる可能性もあります。リーダーは他の職員さんの影響力が強いので、これをきっかけに加算を導入するという方法も良いのではないでしょうか。

4.スキルアップの目標となる

特定加算を見直すにあたって役職や人事考課で設定している法人様が一定数いました。このことから、職員さんのスキルアップを見える化して向こう何年間何を頑張れば、特定加算がよりもらえるのかを検討してみてはいかがでしょうか。

以上のことを踏まえた上で、特定加算は早ければ早いほど導入した方が良いと考えます。導入にあたっての事務手続きや分配方法について課題もありますが、それ以上の人材対策の手段となる加算と考えられますので、ぜひとも検討してみてください。

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