2019年はどうなる!?介護報酬の動き

前回に引き続き、介護報酬について話をしたいと思います。

(前回の内容)

さらなる処遇改善加算の向上で、介護職員の処遇は本当に上がるのか?(小山 邦広)

厚生労働省のサイトをチェックしたところ、平成30年12月19日に、第167回社会保障審議会介護給付費分科会が開催されたようです。

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000460119.pdf

 

 これは、前回の第163回社会保障審議会介護給付費分科会で取り上げられた、今年10月に加算される処遇改善加算の話が詳細になってきたものです。

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000376595.pdf

 

 冒頭にもありますが、「介護人材確保のための取組をより一層進めるため、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進める。具体的には、他の介護職員などの処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めることを前提に、介護サービス事業所における勤続年数10 年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に、公費1000 億円程度を投じ、処遇改善を行う。」とされ、2019 年10 月の消費税率引き上げに伴う報酬改定において対応することと書いてあります。

 

そして、今年10月の消費税率引き上げに伴う介護報酬改定の概要が以下の通り発表されました。

  • 介護報酬改定 +0.39% ※ 補足給付に係る基準費用額の引き上げ分の対応として、別途国費7億円程度
  • 新しい経済政策パッケージに基づく介護人材の処遇改善 国費 210 億円程度

 ①は区分支給限度額が消費税増税に伴い、増税分(8%→10%)を上乗せするという意味となります。②については、処遇改善加算1000億円の公費のうち、210億円を国費(税金)にあてがうという意味となります。

 

その上で、処遇改善加算についての情報も出てまいりました。

(1)加算の対象(取得要件)

  • 現行の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)までを取得している
  • 処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っており、実効性がある
  • 介護職員処遇改善加算についての取組を、HPへの掲載等で見える化してる

 

 (2)加算率の設定:

  • サービス種類ごとの加算率は、それぞれのサービス種類ごとの勤続10年以上の介護福祉士の数に応じて設定する(具体的な介護福祉士の人数までは、決められていないようです)
  • 加算率は二段階で設定し、勤務10年以上の介護福祉士がいる事業所と、そうでない事業所に分ける(例えば、処遇改善加算Ⅰの通所介護では、加算率が9%であるが、ここからさらなる加算率の追加が予想されます)

 

(3)事業所内の分配方法:下線部は重要事項となります

  • A:経験・技能のある介護職員(勤続10 年以上の介護福祉士が原則だが、事務所の判断で他事業所の通算で勤続10年以上とみなすことも可能性としてある?)」、「B:その他の介護職員(勤続10 年未満の介護福祉士、無資格の介護職員など)」、「C:その他の職種(看護職、事務職、調理職など)」の3つに分ける
  • Aの介護職員は、月額8万円の処遇改善になるか、処遇改善後の賃金が年収440 万円以上となる者であり、Aの介護職員がいないと今回の処遇改善加算は支給されない
  • Aの介護職員の平均処遇改善額が、Bの介護職員の2倍以上とすること
  • Cの職員の平均処遇改善額が、Bの介護職員の2分の1を上回らないこと
    • Cの職員の平均賃金額が、Bの職員と比べて低い場合は、事業所は柔軟な取扱いしても良い
  • リーダー級の介護職員について、改善後の賃金額が年収440 万円を超えない場合に改善を可能とすること

 

(1)~(3)について見ますと、事業所に単に勤続10年以上の介護福祉士がいればよいという話ではなく、処遇改善した結果、勤続10年以上の介護福祉士の給料が月8万分の上がるか、年収440万円にならないと支給されないという、事業所にとって少し頭の痛い条件となるようです。ちなみに、処遇改善された結果、年収440万円になる介護職員とは、年4か月分の賞与が発生する施設の場合、月給に直すと27.5万円が支給される職員のことを指します。この年収の部分に、どこまで残業代や手当等が含まれてよいのかは言及されていませんので、まずは以下の部分を確認してみてはいかがでしょうか。

  1. 勤続10年以上の介護福祉士は何人いるか?
  2. 上記の介護福祉士の年収はいくらか?

 

 現在、介護業界は人手不足であり、求人をかけても募集者がいない状況であるといわれています。少しでも募集者を増やすためには、給与面で他の施設よりも不利な条件にならない対策が必要不可欠です。そのためには、今年追加される処遇改善加算の対策を取ってみてはいかがでしょうか?

 

介護に関わる収益、加算対策ご相談ください。

人材募集・定着に関するご相談も承ります。

主任コンサルタント 小山 邦広

oyama@isommc.com