コラム「原因と結果の法則」

(株)マネジメントセンター
中小企業診断士 松本 幸雄

(1)世界のベストセラー


 日本の生んだ名経営者、京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が「経営から人生の生き方まで全ての成功の原理がここにある」と絶賛した書物をご存じでしょうか。それは、英国の作家ジェームズ・アレンが書いた、「原因と結果の法則」という本です。
この本は、約100年以上前に書かれたものですが、世界中で今なお読まれ続けている驚異的なロングセラー書です。この本の中に「私たちの人生は、ある確かな法則に従って創られています。その法則は『原因と結果の法則』です。」と書かれておりそれが、本のタイトルとなっています。
我々が生きていいる中で、様々な良い結果が生まれたり反対に悪い結果がでる場合がありますが、それは偶然に起こるものではなく、我々の過去の行動や思いが現在の結果を生み出しています。その法則からすれば将来の我々の結果は、現在の行動や思いが正しければ良い結果がどんどん生まれるし、逆に正しくない行動や思いがあれば将来は不幸な結果になってしまうという単純で明快な法則です。

 

(2)思いと環境

多くの人々は、自分の周囲の環境を改善することに対してはとても意欲的です。特に経営者の方々は少しでも良い経営環境を作ろうと日夜大きな努力をしています。例えば、営業活動や、社員のレベル向上あるいは経済的な改善などです。筆者も顧問先の経営者の方々と会う機会が多いですが、多くの経営者が必死に努力をされている姿を良く見ます。
しかし、そのような経営者でも自分自身を改善する事には、あまり熱心ではありません。経営者がいつになっても経営環境をなかなか改善できない理由が、実はここにあります。「原因と結果の法則」によれば、経営者の思いが周囲の環境を作っているので、経営者自身が変化すればそれに従って、周囲の環境が大きく変わってきます。
そのような意味で経営者はもちろん、生きている我々は全員が、常に自己を向上させる為の研鑽を積むことは自己と周囲の幸福にとって、大切なことではないでしょうか。それによって、自己の周囲の環境を大いに改善させ、希望する方向に向かわせることができるからです。

 

(3)思いと目標

皆さんは、毎年今期の経営目標を作成することはないでしょう。それほど明確ではなくとも、今期はこんな会社・こんな業績になりたいと思う経営者は多いと思います。それでは、その目標を達成できる人と達成できない人に分かれるのは何故でしょうか。
「原因と結果の法則」の中に、人間は理にかなった人生・経営の目標を心に抱き、その達成を目指すべきです、と述べています。理に適った目標とは、社会的に貢献し、お客様や従業員あるいは、取引先の方々に多くの喜び・幸せをもたらす目標を指しています。
そして、その目標を達成できるパワーは、「自分はそれを達成できる!」という信念から生まれてきます。疑いや恐れはその信念にとって最大の敵なのです。自分で、自分の作った目標に対してマイナスのイメージやあきらめなどをもっていればそれは、その時点で達成が不可能となってきます。達成できるかどうかは、周囲の環境などではなく実は自分自身で決めているのです。
この「原因と結果の法則」を参考にして、これからも皆さんの人生と経営を希望あるものにしてはいかがでしょうか。